「ひとり」


人生のうち
自分自身がはっきり
一人で立っている
そういう時は
とても短い

幼い頃から
成人する頃は
親の下で
守られ

仕事を持ち
結婚するまで
一人


そして結婚して
人生のパートナーと
新しい家庭を
築きあげていく

子どもが独立したら
パートナーと二人
もしくは一人で
人生の終わりの頃を
過ごしていく


いま
わたしの立っている
人生の地点

とてもとても大切な
一人の時
わたしをもっともっと
見つめて
わたしらしく
歩けるように


そう思う


1998
詩集「deep」より